side綾


「何の用だよ」

「なんのって、僕は君に会いたくて、つけてきたんだけど…ここのマンションに君の知り合いなんて居たっけ?」

「さあ、どうかな」


そう口角を無理矢理上げつつ、背中に汗が伝ったのを感じていた。

まずい、和佳菜の家がバレると危険と隣り合わせの状態になる。

最悪引越しをしなければならない。

南はそれほどしつこくてどこまでも恐ろしい男だというのを俺は知っている。