『よそ者』 そうか、綾はまだあたしを仲間となんか思っていなかったんだ。 なんとなく感じてきたけれど、今はっきりとわかった。 この人はあたしに壁を作っている。 それも多分無意識に。 なにがあたしを遠ざけるのか、この暴走族という世界に入れた綾の気持ちは理解出来ない。 でも聞くこともしてはいけない。 あたしだって学んでいないわけではないの。 彼が今、嫌がっていることくらいはわかる。 何故かは、まだ想像すら出来ていないけど。