「あたしを笑わせてどうするつもりだったの」

「別にどうもしねえよ。ただ、笑って欲しかった。だから、ここに入れた」

そんなに単純な理由でいいのだろうか。


「他の人にはなんて説明するの」

「別に、説明なんてしねえよ。ま、幹部には正直に伝えるけど」

それで周りは納得するのだろうか。

なんて話を続けてるうちに家が見えてきた。


「ねえ、綾。話しておきたいことがあるんだけど」

それでも、さよならをするその前に。

あたしにはもう一つ果たすべき用がある。

正確には増えてしまった用事なのだが。