「綾は知ってたのか?」
村上さんがそっと綾に聞いた。
「昨日知ったさ。それまでは何も知らないでこいつを呼ぶつもりだった」
「お前も馬鹿だな」
本当に意味がわからない。
「どういうこと?」
「そっくりだったんだよ。お前のさっきの声が、琢磨さんの声に」
琢磨の声に?
「そんなの初めて言われた」
あたし、琢磨とはそんなに似てないと思ってたから。
似てると言われたことなんてなかったし、性別が違うから似ることなんてそんなにないと思ってた。
嬉しいような、嬉しく無いような。
ママともパパとも似てないと言われていたあたしにとって親族に似ていたことは有難いことだけど、でもやはり親に似ていたいんだ。



