蒼の花と荒れる野獣


風が気持ちいい。

スピードはそれほど速くない。

安全運転を心がけてくれているのがよくわかる。

「お前、バイクに乗るの、慣れてるよな」

しばらく無言だったのに、いきなり村上さんが話しかけてきた。

「なぜ、そう思うの?」


「バイクに乗る時。普通の女はどこに捕まればいいとか、色々とうるさいのだが、お前はそれがない。俺の腰に捕まるのだって当然のようにしていただろ」


「当たり前のことでしょう?」

「普通の女は知らねえの。お前、囲まれた時もなんか言って、あいつらから距離とってたよな。普通はそんなことできねえよ。なにもんだ」


そこまで違和感を感じられていたとは、正直驚きだ。

綾も同じようにあたしに違和感を感じて、このチームに引き入れようとしているのだけど、彼がそこまで理解しているとは思ってなかった。

「…カッコつけようと頑張ってるなんて思ってごめんなさい」

「あ?なんか言ったか?大声で喋ってくれ。こっちは聞こえねえんだよ」

聞こえないように喋ったのを、村上は分からなかったようだ。

やっぱりちょっと馬鹿かも。

と思ったのは、内緒だ。