わけが分からない。

「待って」

でも、彼はすぐにあたしに背を向けて、それから一度も振り返らずに仲間を連れて去ってしまった。

あたしの言葉なんてまるで聴こえていないかのように。


「なんて言われたんだ?」



「…大したことではないわ」


彼らには言わない方がいいと思った。





『beast君の命はなくなると思って』




簡単に殺すという、彼らを。



目に焼き付けるくらいしか、方法はなかった。