「次を予測できないから、殺すんだよ」
そう、冷たい目で言った。
何かを突き刺すような勢いで、だけれど何も見ていない、そんな瞳で。
それから、あの人とよく似た、空虚という名前が相応しい瞳で笑った。
それを見て、何故あたしは悲しいと思うのだろう?
「貴方は何を見ているの」
「なんだろうねえ」
それからくるりとあたしに背を向けると。
「じゃあね、獅獣のお姫様。約束はちゃんと守ってね。さっき言ったこと、beast君に伝えて。彼が僕の忠告を守らないなら…」
あたしに駆け寄り、小さく囁いた。
「えっ……?」