「いきましょう、2人とも」



そう彼らに告げて、目の前の男からそっと目を離した時。



「別に今日は、君に何もするつもりはなかったんだよ」



視線を戻せば、あたしに話しかけてきた男がにこりと微笑んでいる。


「連れ去るつもりだったら、君に話しかけなんかしないでしょ?後ろから襲うよ」

「じゃあ、何故」


「ただ忠告だけしておこうと思っただけだよ」


「忠告、とは?」


彼は一体何をしたいのだろう。

感情が読み取れないが故に恐怖を感じざるおえない。