「今はこっこがやってるよ?」
それは、俺は知らない。
「私とこっこ、今から回ってくるから、蓮くん。今度こそお願いね?」
そう言う叶花の目は、笑ってなかった。
翔太さんの目にそっくりだ。
……逆らえないじゃないか。
そして俺はまた、部室から出た。
「こっこ! ここは蓮くんに任せて、いろいろ見に行こ!」
こっこは俺に任せられないと思っているらしく、なかなか動こうとしない。
そういうことなら、俺は部室に。
「蓮くん」
その瞬間、叶花の怒りが込められた声が耳に届く。
……あー、もう。
「こっこ、叶花がああ言ってるし、行ってこい」
俺に任せろ、とは言えなかった。
「……じゃあ、お願いします」
そしてさっきと同じような態度で、店番をする。
一時間くらい経ったか。
買いに来たのは、片手で数えられる程度。
楽だな、なんて思っていたら、こっこが血相を変えて走ってきた。
「先輩! さくらが、倒れた!」