早い段階で、部活で忙しい、協力は難しいと伝えたはず。



「どう見ても暇そうじゃねえか」



……面倒だな。



「まあ、いいよ。Tシャツを着ないようなやつには、任せられない」



それはよかった。



そしてやつは、部室を出ていった。



それからどれだけ時間が経ったかわからない。


いつの間にか外から聞こえてくる呼び込みは、こっこの声に変わっていた。



「蓮くん」



読書に集中していたせいで、目の前にいる叶花に気付かなかった。



……びっくりした。



「焼き鳥買ってきたの。よかったらどーぞ」



叶花が差し出してきた紙コップの中から、一本もらう。



「……結斗さんは?」


「なんかね、高校の同級生だった人と会って、その人といるよ」



そう言えば、結斗さんの母校はここだったな。


会って当然、だろう……



「……なんだよ」



叶花は特になにを言うわけでもなく、じっと俺の顔を見ていた。



「私、蓮くんに任せたよね?」


「……先輩が来て、代わってもらった」