あんな感じとは。
きゃーきゃー騒いでることか。
「どの隊の応援でも、応援団と同じくらいの熱量があったよ」
「運動禁止じゃなかったら、絶対、応援団に向いてますね」
まあ、俺もそう思う。
なにごとも楽しめるやつだから。
「運動禁止をされるような病気……」
「こっこ、あまり人がいるとこで言わないでやって」
いくら独り言とはいえ、誰が聞いているかわからない。
叶花のためにも、これは止めておくべきだと思った。
「……そっか。さくら、隠してましたもんね」
わかってくれて、なにより。
そしてそれ以降、その話題に触れることなく、こっこは隊のテントに戻った。
「蓮くん、競技はサボったらダメだよ?」
「わかってるよ」
俺も出番になり、入場門に向かった。
叶花に言われたからじゃないが、無気力ながらに競技を行った。
そして今年の体育祭は、競技優勝は黄隊、応援優勝は青隊で幕を閉じた。