そう言って、叶花はカメラを借りてきた人のところに行った。
そうか、美術部から借りたのか。
アルバム用か知らないが、カメラを持ってる生徒を何度か見かけた。
「やりたくてしょうがないっていうさくらがいるのに、よくサボりましたね、先輩」
「こっこ、それ以上はやめて。俺もちゃんとわかってるから」
わかってるなら、逃げずにやれって話だろうけど。
「でもまあ、仲直りしたみたいなんで、よかったです」
「……ご心配おかけしました?」
「なんで疑問形なんですか」
俺自身もよくわかってないから。
なんて話してるうちに叶花は戻ってきて、赤隊のパフォーマンスが始まった。
「すみれ先輩が! とても! 可愛い!」
そんなに主張しなくても聞こえる。
赤隊の女子は、赤と白のボーダーのTシャツに、たぶん制服のスカート。
そしてなぜか、応援団全員裸足だ。
「さくら、ずっとあんな感じなんですか?」