「私……あなたと別れたいの」

精一杯の決断だった。

「えっ……?小百合。
お前……何を言っているんだ?」

彼は、戸惑った表情をしていた。
無理はない。

「私ね……他に好きな人が出来たの。
その人から付き合わないかって言われてて」

好きな人……そんなのあなた以外
考えられない。

私が出した決断は、お別れだった。

「ちょっ……冗談じゃない。
俺は、小百合と別れる気はない。
どうしたんだよ?君らしくない……」

彼は、別れる気はないと言ってきた。

「冗談ではないわ。最近の恵一は、
サッカーばかりで私とまともに
時間が取れないじゃない。
無理に時間を作って会ってくれているのも
分かっていたし。
何より……周りの女子にキャーキャー言われて
嫉妬の嵐……もう疲れちゃった」