そうなると私は、彼の夢を
これからの未来を潰しかねない。

まだまだ無名の新人だが
これからが期待のホープとして注目を浴びている
彼は、きっと素晴らしい選手になる。

それは、私が1番知っていた。

彼の未来のために
いや、日本のサッカーのために
私は、決断を出さないといけない。

この子のためにも……。

「小百合。話って何?」

私は、彼に大事な話があると告げ
独り暮らしをしているアパートまで
来てもらった。

「ごめんなさい。急に呼び出して。
練習とか大丈夫だった?」

「平気、平気。
小百合の顔を見たかったからさ」

嬉しそうに笑う彼は、子供みたいに
無邪気だった。

「あのね……」