信じたくなかった。




さっきの幸せは夢で

あの男の子が誰なのかも分からない



もしかしたら架空の人物かもしれない。





もう二度と会えない人なんだって


あんなに幸せだったのに

あれは夢だったんだって気付いて
涙が溢れた。



あまり泣くことのなかった私だけど


その日はお布団に顔を埋めて

大失恋したかのような気分で泣いた。



きっと会えない
会える訳ない





まだ高校生だった私が見たあの夢。

それから今に至るまで毎日のように
色々な夢を見てきたけど

怖い夢ではなく
幸せすぎてな泣いたのは



あの夢が最初で最後だ。