穂り満ち
あかねのそらに
繋がり祈り


夕暮れ時にふと見上げた空にかかる虹。

黄金色の稲穂と茜空を空元気なあなたと一緒に見たあの日。

あなたから聞かされたのは、3年間の海外勤務。

激務だとわかっているからついて来てほしいとも、待っていて欲しいとも、どうしても言えない。

私たちは別れたの?

届かないとわかっていてあなたに送るメールも二年分。

読まれることないそれは、あなたを待っていたかった私のあなたを愛した記憶。

この景色を見ながらあの時言えなかった愛してるをここに言いに来るのは、この空が繋がっていて、あなたも聞いていてくれると信じたいから。

あなたが帰りたい場所が私でありますように。
いまでもあなたとつながっていますように。

後ろから大きな影が近づいて、きつく抱き締められて、待ち焦がれた声に包まれた。

力が抜けて立っていられない私を、泣き笑顔で軽々と抱き上げるあなた。その温もりを感じて、二年前より逞しくなったあなたの腕の中で実感する。

つながっていられた。

おかえりなさい。