「美鈴は、最近西谷とどうなの??」
ゆきが唐突にその名前を出すから
私は思わず飲んでいたお茶でむせてしまった
「ゴホン、別にっ何もないよただの友達」
「ええー?」
ゆきは信じられないという顔で私を見て
「あ、西谷!」
「えっ?どこ!」
「引っかかったー!!」
ゆきにそんなカマをまんまとかけられて
私ははたと気づいてしまった
「ほらね、好きじゃん」
今まで気づかなかったこと
いや違う
本当は気づいてたけど
気づいてないフリをしていたこと
そんな時ふと視界に入った
教室の隅で
同じクラスの女子と笑い合ってる西谷くん
何よ
私以外の女子とも
あんなに仲良く話すじゃん
この気持ちが嫉妬だなんて
教科書レベルの問題で
私はもう
回り続けた歯車に
目を背けることなんて出来ない
