「ねね!美鈴、!」
いつになくゆきがテンション高く話しかけてきて
私はその瞬間に勘付いた
「私......佐藤くんと付き合うことになった」
「そっか...」
ん?
あれ?
おかしい、何でだろう
私、全然辛くない
ちっとも傷ついてない
「おめでとう、良かったじゃん」
スラスラと出てきたその言葉は
いつかのセリフとは違って
ちゃんと本心から出た言葉だった
「ありがとう!!美鈴のお陰だよ」
ゆきが本当に幸せそうな顔をするものだから
私も笑顔でゆきを祝福した
そこにはなんの未練もなくて
私、
失恋を乗り越えたんだって初めて気づいた
でもどうして...?
