「じゃあ、ここで」
「おう、また明日な」
西谷くんがそう言って手を振るから
私も同じように振り返す
でも、西谷くん好きな人いるのに
私なんかと帰って大丈夫だったのかな......
「......窪川!」
サッと振り返って
西谷くんを私の目が捉えた
「窪川、明日も一緒に帰らない、?」
西谷くんは
また不安そうに、様子を伺いながら聞いた
私は、この感じがすごく落ち着いていて
失恋の痛みもなんとなく忘れて始めていて
だから西谷くんと過ごす時間は嫌いじゃないって思った
ただ、それだけ。
「うん!また明日」
西谷くんの誘いを受けたのに深い意味なんてなくて
私は
西谷くんといると楽だから
西谷くんと明日も一緒に帰るだけだ
またそうやって
私は無意識に言い聞かせていた
