高校生活3度目の春、新任式

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去年と変わらない景色、つまらない日々を送る私の前に現れたのは神経質そうな顔立ちに縁の無い眼鏡、すらりとした手足にグレーのスーツを纏った彼だった。

ゲロゲロと威張ったカエルのような校長先生に呼ばれ、低く掠れた声で短く返事をする彼は、私の変わり映えしない毎日の中で見つけた
春の暖かな風が体を撫でて体育館を吹き抜け、パチパチと何かが弾ける音を私は聞いた。