一途な彼にとろとろに愛育されてます




身支度を終えて、クラッチバッグを手にヒールを履いて家を出る。

そして普段あまり乗ることのない檜山の車に乗り、休憩を挟みながら軽井沢まで向かった。



「あれ、そういえば立花社長送らなくていいの?」



高速道路を慣れた様子で走る檜山に、ふと思い出したずねると、彼は前を見たまま頷く。



「あぁ、今日は自分で車運転して行くって。明日半休とってるし、帰りに奥さんとどこか泊まる予定なんじゃない」



そっか。立花社長、新婚さんだもんね。奥様とラブラブなんだなぁ。

あ、ということは立花社長の奥様もいらっしゃるんだ。どんな人なんだろう。クールな感じの人だったらどうしよう。



そもそも会場になじめるかすら不安で、いやなことばかり考えてしまう。

思わず無言になる私に、檜山はこちらへ手を伸ばすとポンポンと頭を撫でた。



「余計なこと考えないで、愛想よくして飯食ってるだけでいいから」



心の中を読むようにフォローする彼に、私は小さく頷いた。



……私の不安も、檜山にはお見通しだなぁ。

その不安を拭ってくれるような言葉や仕草が、またちょっと嬉しいのだけれど。