一途な彼にとろとろに愛育されてます




「なにもなかっただろうな」

「も、もちろん!」



じろ、とこちらを見る檜山に慌てて首を縦に振る。ところが檜山はそれを信用していないようでこちらをじっと見た。



なにもなかった、かと言われると、まぁなかったわけじゃないけど、でも檜山に言うのもなんだかちょっと……。

そんな気持ちから彼の目を真っ直ぐ見ることができず明後日の方向を見た。

そんな態度がやましさ満載だったのだろう。檜山は追い込むように私の背後の壁に手をついた。



「吐け。正直に吐け」



うっ……なにかあったってバレてる。

凄む彼に黙秘を貫こうとするけれど、言わなければこのまま逃してくれないだろう。

その視線にこれ以上しらばっくれることも出来ず、私は恐る恐る口を開いた。



「た……田丸さん相当酔っちゃってたみたいで、ちょっと押し倒されただけ」

「は!?押し倒された!?」



檜山は珍しく大きな声を出すと眉間にシワを寄せ問い返す。