一途な彼にとろとろに愛育されてます



思ったより飲み物が出るペースが早いかも。新しいボトル、厨房から貰ってきておこうかな。

そんなことを考えていると、ホールのドアの方から「長嶺さん!」と小声で呼ばれた。



なんだろう、と廊下に出ると、配膳係の後輩が焦った様子でロビーを指差す。



「大変なんです、白浜さんがお客様に絡まれてて!」

「お客様に?」



白浜さんの名前に思い浮かべるのは、配膳係のなかでも小柄でかわいらしい顔立ちの女の子。おっとりとしており、度々男性のお客様に口説かれているとの噂だ。

そう話をしていると、廊下の方から「やめてくださいっ」と白浜さんの高い声が響いた。



「タチの悪いお客様だったら大変だから、内線で男性スタッフ呼んでくれる?」

「はっはい」



後輩に言い残しロビーへ向かうと、そこでは恰幅のいい男性に腕を掴まれている白浜さんの姿があった。

男性は顔を真っ赤にし、ネクタイもよれ、確実に酔っ払っている様子だ。