一途な彼にとろとろに愛育されてます




その日の夕方、私の姿はホールの中にあった。

今朝立花社長が言っていた通り、今日はホールでは大手企業の創立記念パーティーが行われており、大勢の人が集まっている。



白いクロスがかけられた丸テーブルを囲むように立ち談笑をする男性や、高級そうなドレスに身を包んだ女性たち。

その中で人と人の間を抜けるように歩く私は、いつものフロントの制服ではなく、ブラウスに黒いエプロン姿だ。



「お飲物のお代わりはいかがですか?」

「あぁ、頼む」



男性に声をかけ、左手に持ったトレーからシャンパンの注がれたグラスを渡し、空のグラスを回収するとまた足早に歩く。



先ほどの光景や檜山のセリフがどうにもモヤモヤして頭から離れなかったけど、やっぱりこういう時は動くに限る!

配膳係の手伝いにフロントの中の誰かを、という話だったことから私は自ら立候補して手伝いに来たのだった。