「……確かに彼女はいないけど。俺今、誰かと付き合うつもりとかないから」
そうはっきりと断った檜山に、よかった、断ったんだと安心する。
けれど、ふと気づいた。誰かと付き合うつもりがないってことは、つまり、私も脈なしってこと!?
それもまたショックで、私はがっくりと肩を落としてその場を歩き出す。
そっか、檜山がいくら言い寄られても誰にも頷かないのはそういうわけだ。
誰かにとられてしまうことはなさそうという安心と、この関係が進むことはないのが確定してしまったがっかり感。
ふたつの気持ちが交互に押し寄せ、複雑な気持ちだ。
……でも、告白してなくてよかったかも。
してたらきっと、関係は終わってしまっていた。
それならこのまま、同居人のままでいられた方がいいかな。
好きの気持ちも、友達としての好きに変えて。



