ホールでイベント……確か今日はどこかの会社の創立記念パーティーが入っていたっけ。
そう考えているうちに2階につき、開いたドアから立花社長が降りて行く。
その後ろに続いた檜山は、降りぎわにさりげなく私の右耳あたりの髪をそっと撫でた。
なに、とその顔を見ると、檜山は口をパクパクと動かしなにかを伝える。
『ね ぐ せ』
寝癖がついている、ということなのだろう。
うそ!と慌てて右耳ごと髪を手で押さえる私を横目で見て、檜山はふっと笑って降りて行った。
は、恥ずかしい。
触った感じ、確かに寝癖ついてるみたいで跳ねているけど……。ヘアピンで強引にまとめてしまおう。
そうやって、なんてことない顔で不意に触れるから。いちいちドキドキしてしまう。



