一途な彼にとろとろに愛育されてます




「向こうで立花社長が呼んでる」

「……わかった。すみません、失礼します」



そんな私の発言が嘘だとすぐ気づいたのか。檜山はすんなりと受け入れこちらへ歩き出す。

それまで檜山を話さなかった女性たちも、私が出した『社長』というワードに仕方なく手を離した。

さすがに社長が呼んでるっていうのに『大丈夫』とは言えないもんね。



檜山とふたりでその場を離れ、近くの応接室へ入る。

その場にふたりきりになった途端に、檜山は深いため息とともに私の肩に寄りかかるようにぐったりととうなだれた。



「ひ、檜山?どうしたの?」



突然距離が近づいて、心臓がドキリと跳ねるのを気付かれてしまわないように平然を装う。



「香水の匂い……きっつい……気持ち悪……」



あぁ……そういうこと。

3人とも余程きつい香水だったのだろう。檜山は私の肩に頭を乗せて「はー……」と息を吐く。