一途な彼にとろとろに愛育されてます




す、すごいな……。檜山狙いなのが明らかだ。

まだ20代の社長秘書、となると力づくで落とせてしまいそうなのか。彼女たちは檜山の腕や手に触れ、積極にアピールをする。

一方の檜山はというと、そんな彼女たちに囲まれ不機嫌そうな顔だ。


一見、喜怒哀楽が出づらいタイプではあるけれどよく見れば結構わかりやすいんだよね。

彼女たちは気づいていないようだけど。



「すみません、まだ仕事中なので」

「えー、そんなこと言わないで」

「ちょっとくらい大丈夫だよ。檜山くんって真面目〜」



いやいや、大丈夫じゃないから。

朝から晩まで、時には休日に急に呼び出されたりもしながら秘書という仕事を完璧にこなしている。

そんな檜山に対しての無神経な発言に、こちらがムッとしてしまう。



檜山も私に対してだったら『邪魔』とか『うるさい』とか言うだろうけど、年上女性たち相手だから多少気を遣っているのだろう。

仕方ない、と私は息を吸い込み声を発した。



「檜山」



名前を呼ぶと、檜山含め全員の視線がこちらへ向けられる。