でも、どうして杏璃さんにそんな話を?
だって檜山は、杏璃さんのことを好きなんじゃないの?
様々な疑問が一気に込み上げて混乱してしまう。
そんな私の様子を見て、杏璃さんはふっと笑った。
「気持ちはきちんと、伝えて、相手の気持ちも確かめなくちゃわからないですよ。思い込みで終わりにしちゃうのはもったいない」
「思い込み……ですか」
「本音を聞くのは勇気がいるけど、でも、どんな結論だって『伝えてよかった』っていつか思えるはずだから」
杏璃さんはそう優しく微笑んで、フォークで刺したレタスをひと口食べた。
怖いと恐れていても、なにも変わらない。
むしろひとり置いていかれるだけで、後悔しか残らない。
それなら、もう、きちんと伝えてしまおう。
同居人でいられなくなってしまうとしても、それでも。その心の中に残りたい。
檜山のことを好きだって、伝えたい。
その気持ちだけは後悔したくないって、強く思った。
……けど。



