「えっ、玲央さん。社員さん借りちゃっていいんですか?」
「あぁ。初対面だが話は膨らむと思うぞ。彼女、檜山の同居人だからな」
檜山から立花社長へ、そして立花社長から彼女へ話したのだろう。彼の言葉に杏璃さんは思い出したように納得する。
「あぁ!檜山さんの彼女さん!」
「かっ!?」
彼女だなんて!そうじゃないのに!
否定しようとするけれど、それを遮るように杏璃さんは私の腕を引く。
「あっじゃあランチ女子会しましょう!今月からのレストランの特別メニューすっごく美味しそうなので!ね!」
「えっ、あのっ、ちょっと」
戸惑う私を半ば強引にレストランのある最上階へと連れていく。
その間も彼女はニコニコとした笑顔で、ますます眩しく感じられた。
こんなかわいい人なら、檜山が好きになるのも納得できてしまう。
けど、それでもやっぱり悲しくて胸の奥がチリと痛んだ。



