一途な彼にとろとろに愛育されてます





「……はぁ」



その日の午後。お昼休憩中、私はひとりきりの休憩室でため息をついた。

手元のスマートフォンの画面に表示されているのは、賃貸物件のサイトだ。



あの家からもなるべく早く引っ越ししなくちゃ。

私ひとりで家賃を払うとなるとどうしても少し立地は悪くなるよね。でもなるべく駅から近いのところがいいなぁ。

あ、引っ越し業者も頼まなくちゃ。檜山がいない日に済ませちゃいたいな。



そんなことを考えながらも、まだいまいち実感のわかないまま、ページをスクロールする。



「引っ越しするのか?」



すると、突然背後から声がした。

驚いて振り向けば、そこには私の後ろに立つ立花社長の姿がある。

意外な人物の登場に思わず驚いてしまう。



「立花社長!どうされたんですか?」

「今朝、明らかに様子おかしかっただろ。檜山もなんか機嫌悪いし、話聞きに来た」



今朝の私の態度は、やはりバレバレだったらしい。

だけど、プライベートな話をわざわざ社長に聞かせることな躊躇われて、私は言葉を濁す。