「気になるか?」
立花社長の言葉にハッと我に返ると、隣に立つ彼は意地悪くニヤリと笑っている。
「いえ、べつに。檜山がどこの誰と仲が良かろうと私には関係ないですし」
いや、本当は気になる。すっごく気になる。
だけどそれを素直に言うのも癪で、私はツンとした言い方で否定する。
そんな私に、立花社長は納得するように頷いた。
「そうか、そうだよなぁ。彼女が神崎リゾートの社長令嬢で帰国子女で、檜山の元カノだろうと関係ないよなぁ」
「え!!?」
神崎リゾートって、あの業界内でも有名な企業……ってそうじゃなくて!
愛菜さんが檜山の元カノ!?
なにそれ、気になる、もっと聞きたい。けれどつい今さっき意地を張ってしまった手前聞けず、聞きたい気持ちをグググと堪える。
そんな私がよほどおかしかったのだろう、立花社長は「ははっ」と声を出して笑った。
「お前、普段は気丈なふりしてるけど、檜山のことになると感情が顔に出るな」
うっ……。
情けない、恥ずかしい。けれど図星を指され反論できず、私は不満げに黙る。
その反応に、立花社長は満足したように話してくれた。



