一途な彼にとろとろに愛育されてます




立花社長にはビジネスモードで話してる。話の内容からどこかの会社の社長令嬢かな。

そんなことを考えていると、彼女の視線は続いてこちらへ向けられる。



「そちらは?あ、もしかして噂に聞いた立花社長の奥様?」

「えっ!いえ、私は……」



立花社長の奥様に間違われるなんてとんでもない。慌てて否定をしようとすると、それより先に檜山が口を開く。



「俺の同僚。そんなガサツな酒飲み女が社長夫人になれるわけないだろ」



って、ひと言余計なんですけど!

初対面の人の前でなんて失礼な。『ちょっと!』と声が出そうになるのをぐっと堪え、檜山を睨みつけるけれど、その顔はしれっとしている。

そんな私たちを見て愛菜さんはクスクスと笑った。



「あらそうなの。匠の同僚ねぇ、お名前は?」

「長嶺です。よろしくお願いいたします」

「長嶺さんね。よろしく」



愛菜さんは人当たりのいい笑顔で軽く挨拶をすると、すぐさま視線を檜山に戻す。