思わず本音が零れ出る。 ずっと聞きたくて、誰にも聞けなかったこと。 祭りの音は遠い。 灯だけが蛍のように夜の街に浮かんでいた。 草木も花も鳥も、眠ってしまうほどの漆黒に包まれた空間だけが私達の周りに広がっている。 見上げれば、満天の星空。 これを幸せと言うならば、私は幸せなのかもしれない。 「……幸せだね。」 彼の肩に頭を預けて呟く。 不思議な程に安心して、私は夢に入った。