………絶対に居てはいけない空間だったよね
なんでかよく分からないけど
今見つかったら命がとられるくらい身の危険を感じる
どうしよ
最悪だぁ…ー
早くどこか行ってー
しゃがむ姿勢もいつかは限界がくる
必死に息を堪え、時が過ぎるのを待つ
……って決めた瞬間
ピロラリン、、ピロラリン、、ピロラリン♪
「ッッ?!」
「……誰?」
タイミング悪く鳴り響いたのは私の携帯
誰かからの着信…
急いで携帯を手で覆い隠すが、着信音は無情にも図書館中に鳴り響く
小林くんに見つかる
てか、もう逃げられない…よね
それでも鳴り止んだ携帯を握りしめたまま、目を閉じて動けず
ほんとに私ってつくづく…
残念な運の持ち主…ー!
「ぅわッ…え、いつから居たの?」
「……」
頭上から聞こえてくる声に
恐る恐る顔を上げると
そこには真剣に驚いていた小林くんがカウンターを越えて覗いていた
「彩月さん…盗み聞きは良くないよ」
「いや…そんなじゃな」
「まじでいつから居たの?」
私の必死の言い訳は届かず…
どこか真剣な表情の小林くんは、私の手を引いて、しゃがむ姿勢から解放してくれた
「いつからというか…さっき…?」
「さっき?」
「べ、べつに盗み聞きとかじゃないし!!たまたま居合わせただけだ…し…」
「それ盗み聞きと一緒でしょ。実際隠れてたじゃん。悪趣味ー」
「違うってばッッ!来た時は誰も居ないと思って…まさか先に誰か居たなんて…」
「…ふーん、ま、どうでもいいけど」
どっちが悪趣味だ!!
こっちのセリフだっての…
でも小林くんの方を見れず
カバンを持つ力が無駄に強くなる
……よりによって
見つかりたくない時に見つかっちゃう
私はとことんツイてない
「全部…聞いたよね、さっきの」
「いやぁ…べつに」
「嘘はやめよーよ。100%聞こえてた」
「……はい。あ、でも全部意味わかってないからッッ…」
「それも嘘。意味くらい分かったでしょ」
「………」
小林くんからは逃げられません。。。
「あーぁ、ちょっとかっこ悪いとこ聞かれたなぁ、まじ最悪」
「……」
小林くんは顔を逸らして両手を頭の上に置く
え……
なんか、いつもと違う反応…
「…あ、さっきの女はさっき知ったばっかで、さっきキッパリ脈ナシ態度カマしたから、全く気にしないで!」
さっきさっき…うるさいな
べつにどーでもいいし…
「彩月に会うにはココが1番いいわ、居心地も含めて」
「…は?」
…あ、そうだ小林くんは今日当番じゃないはず
だから余計ビックリしていたわけで…
さっきも女の子に、"森岡さんとこれからココで会うことになってんの。"なんて言ってた
ここには良平も来る
早く小林くんには退散してもらわないと

