「すみません、これ」
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。どうぞ中へ。」
「ありがとうございます」
………人混みを抜け、すんなりと入場できました
良平と係員さんとのやり取りを見ていただけの私
私は良平のイケない力でも見てしまったのでしょうか…
「すごいね良平」
「は?」
「いや、良平って存在が」
「いやいや、よく見ろチケット」
「ん…?」
チケットの半券を目を凝らして見る
特別優待・関係者チケット
※待たずに入場出来ます※
………すごっ!
チケットに書いてある文字を見て、良平と目を合わせる
「周りが持ってるチケットと違ったから気付いた」
「…ごめん、私全然見てなかった」
桜子から貰ったチケットはVIP関係者用のだった
たしか彼氏の山下先輩の親戚って言ってたような…
「ほら彩月、サメ」
「……うわぁ」
目の前には巨大水槽があり、大きなサメが泳いでる
すごい迫力に私は釘付け
水槽にベッタリとくっついた
「すごいね!」
「だな」
「サメって大きいなぁ…襲われたら人間なんて一瞬で消えちゃうね」
「……だな」
なんとも色気のない私の発言に良平の顔は苦笑い
良平の表情なんてサメに釘付けの私は全く気づかない
いや、嘘……です
心臓はドキドキしっぱなし
そして私の左手は麻痺中
熱くなりすぎて感覚を感じない
いつの間にか良平と繋がれた手
いつから…?
気付いたら繋いでた
初めて手を繋いだ…
…………なんで?
良平……気づいてる?
サメの前でも離さない手に私は、そこにしか意識がいかないのが本音だ
いや…左側に立つ良平にずっと意識してる
私の左半身が麻痺しちゃうよ……

