「すげ…なんだこれ」
「…だね。リニューアルしたばっかりだからかな?」
水族館に着いた私たちは入場ゲートのはるか前で立ち尽くす
物凄い数の人で受付と入場ゲートは混雑していた
「とりあえず並ぼっか」
「あぁ」
「チケット受付……え、どっち?」
「ん?この列で合ってるっぽい」
2人でキョロキョロと辺りを見渡す
水族館とか、こういうテーマパークなんて小さい時に来た以来だから、システムがよく分からない
これは良平も同じだった
「晴れて良かったね」
「うん」
「…ちょっと調べたんだけど、ここイルカショーもやってるって。天気良いから見応えありそうだよね」
「うん」
「……最初なにから見ようかなぁ」
長い行列に並び、1歩ずつ少ーしずつ進む中、何か話さなきゃと必死な私
良平はいつも通り……すごく冷静
落ち着きのある大人びた雰囲気の良平は「うん」しか言わない
きっと今日も1人で盛り上がって、テンパって…
この格差に、撃沈するのがオチ…かな
「……巨大水槽にサメがいるってよ」
「え…」
「人気らしいから、そこ1番に行く?」
「…っうん!サメ見る!」
きっと私は今、目がキラキラで眩しいだろう
良平が提案してくれるなんて
絶対サメ見る!!
意地でも見る!!
そうだ…別に盛り上がって、テンパってもいいよね
とにかく今日を特別な日にしなくちゃ
「なぁ、チケット見せて?」
「チケット?…はいこれ」
「…やっぱり」
「なに?」
良平は何か考えるようにチケットを見て、私にチケットを見せて言った
「これ特別優待チケット」
「特別…ゆうたい?」
「VIPってこと」
「え?」
「時間を無駄にしたな…行くぞ」
「え?ちょっ…」
良平は私の手を取り、列から離れ入場ゲートへと向かい歩きだした

