私の好きな人



「小林くん…あのさ」

「あ、返事はゆっくり考えた後でお願いします」


そう言うと小林くんは図書館から颯爽と出ていってしまった


「なんなの…」


返事って………


ゆっくり考えたって答えは決まってる



いやいや…それより私…本当に告白されたのかな


絶対また面白がって言ったんじゃ…



え……でも本気だとしたら


小林くん、私のこと………


え??

いつから?

なんで?



人生初めての展開に私の頭は沸騰中


そろそろ耳から湯気が出そうです…



「彩月?」



頭上から私を呼ぶ優しい声が聞こえる


ごちゃごちゃした思考回路が一瞬で吹き飛び、私は一瞬で目を覚ました


本を持ってカウンターの前で立つ良平




「…良平!今日も貸出?」


笑顔が少し引きつってるかもしれない


「いや今日は借りない。見に来ただけ」

「そうなんだ」

「大丈夫?」

「…え」


心臓がはねる

良平の言葉は魔法だ


良平の"大丈夫?"は、どんな薬よりも効果のある



一気に私のパワーはMAX


「元気だよ!ちょー元気!!」

「…そう、なら良いけど」

「うん!」

「明るさだけが取り柄だな、お前は」

「ちょっと…!」

「じゃあお先」

「あ、うん!気をつけてね」

「彩月も」



こんなダメダメな私のことをいつも心配してくれる


幼なじみだから


ちょっとした家族みたい


だから優しいし、心配してくれてる


分かってるんだけど



私は



どんどん好きになる


どんどんハマっていく



昨日よりも今日の方が好き




ねぇ、良平?




私がおかしいのかな……



幼なじみを好きになった私が



間違ったのかな……