私の好きな人




「お?幼なじみのお出ましだ」



小林くんの言葉と同時に私の視界に良平が映る


良平は何冊も何冊も本や資料を探しにくる



棚をゆっくり物色して、指で一つ一つ確認する姿


窓越しのテーブルに座ってる時はカーテンが揺れる度、良平の淡く茶色い髪が輝くように光る瞬間

毎度毎度、私の心は弾けっぱなし


良平は私にとって


奇跡みたいな愛しい人


最高に素敵な人




毎日、惚れてしまうの………







「はぁ…」


思わず溜め息がもれた


良平のことを考えると胸がいっぱいになる



「……急に溜め息て、どした?」

「な…んでもない」

「それ、しんどいなら変わるよ」

「いや、大丈夫です」


私の咄嗟にもれた溜め息に気を使い、無意味にしていた本に貼るシール数えを手伝おうとする小林くん


カウンターの業務って案外暇なんです…


頭で考え事していると手は無意味な作業ばかりだ



「………」

「………」



そして会話もとくに必要ないので、すごく静かな時間


あ、今までの小林くんとの会話はあくまで最小のボリュームです。




「図書委員になった理由って、本が好きじゃないんだったら、他はなに?」

「へ?」

「あの人?」


急に何を言いだすのかと目が点になってる私をよそに、小林くんはある方向を指さした

ちょうどカウンターから見える窓際のテーブル

そこに座る良平の姿



それを確認する私の横で


「そうでしょ?」

「……ちが」

「認めなよ。バレバレ」

「ほっといてよ、そんなの小林くんには関係ないし」



なんなんだ…本当にやめて欲しい


なんで、そんなに私のこと聞くんだろう


カウンターが暇だからって、私の事ばかり……


「関係なくないんだな」

「…?」


私は首を傾げた


「ねえ確認なんだけど、幼なじみとは付き合ってるの?」

「だからっ」

「付き合ってないんだったら、俺と付き合ってよ」

「……っからかわな…」
「からかってない」



……………………。


真剣な表情で私を見てる小林くんの瞳は真っ直ぐで全くブレない


なにこれ………


私、今



告白されてる…………?