私の好きな人



小林くんの視線は入口方面


私はちょうど入口に背を向けていたため振り返った



「有名な2人が揃った…」


どこか楽しそうな小林くん


だが、そんなこと今は無視



「きた…」



入口から颯爽と入ってきたのは良平


良かった……


来てくれた



ちょっぴり怖かったんだ


図書委員ってこと話したから、ひょっとしたら来ないかもって…



やっぱり良平は本が大好き



図書館は良平の場所



………よかった



カウンターから顔だけ覗かしてる私


奥へと消えていった良平の方向をずっと見つめる



幸せだぁ



「はぁ…」


ホッとしたのか思わずため息が漏れた



「感情が忙しい人だね」

「ん?」

「犬みたい…」

「…犬?誰が?」

「君が」

「どういうっ…」

「はははっ」


やっぱり楽しそうな小林くん


誰が犬じゃ!



「……森岡さんってさ」

「なに…また何か言う…」

「好きな人いる?」

「!?」


(ガタッ!!


座っていた椅子は倒れ、私はカウンターの下へと砕け落ちた


「っっ急になに…」


倒れた椅子を直しながら、私は立ち上がる


「いるでしょ。今分かっちゃった」

「はい?」

「あの人」


そう言って視線を動かした先に



「違うよ…好きな人なんか居ないし…」



本棚から少し見える良平がいた



なんか怖いな…小林くん


見透かされてる感が半端ないです…



けど言えないよ


恥ずかしいし…


良平と同じクラスの小林くんにバレたら大変だ


私の気持ちが良平の耳に入っちゃったら…



何もかも終わる



「……ふーん」

「もう私の話はいいよ…」

「そっちが聞いてきたんじゃん」

「…それは」


こんなはずじゃないんだってば!


せっかく良平が図書館にきてくれたのに



こんな取り乱してたら変に思われる



冷静、冷静。