「なぁ!」
「…え?」
玄関の扉に手を掛けた時、突然良平に呼び止められた
「自転車いつ直るの?」
「自転車?」
「あぁ」
「自転車は…たぶん今週には直ると思う。土曜日に取りに行けたら良いかな」
「ふーん…」
「なんで?」
なんでそんなこと聞くんだろ
「いや…別に」
「へ?」
良平の声が小さくて聞こえなかった
自然と玄関から離れて良平に近づく
「…なんでもねぇよ、じゃーな」
「え?ちょっと!良平?」
良平は颯爽と消えた
なんか…初めて見る良平だった
自転車?
何が言いたかったんだろ…
少し様子の違う良平
どうしたんだろか
ーーーーーーーー
「いってきまーす!」
翌日
今日も少し早めに家を出て、また良平を捕まえれたらなぁ…なんてウキウキな感情があふれ出る私
しかし…
「おはよ」
「……え?」
「出てくるの遅い」
「え…なんで?」
家の前には、すでに良平がいた
あっさりと捕まえられた
…っじゃない!
なんでいるの?
明らかに待ってたよね?
いや…分かんない
たまたまかも…
「自転車が直るまで…乗っけてやる」
「………?」
言葉は分かるんだけど、首をかしげる私
「…なんだよ、別にいいなら行くわ」
「ちょちょちょ…っちょっと待って!」
「なぁんだよ!乗るのか乗らねぇのか」
「乗る!」
私は少々くいぎみに答える
ほんとに?
良平が私を待っててくれたの?
……嬉しすぎる…っ
まさか良平から言われるとは夢の中でもない話だ
「帰りも送ってくから、連絡して」
「帰りも?」
「うん」
嘘でしょ?
こんな幸せなことって…
「ありがと良平、優しいね!嬉しい!」
「……っばぁか、調子にのんなよ。ただ俺は待たれたり捕まえられたりするのが嫌なだけで、それに昨日の幽霊みたいに歩いてるのなんて怖くて見たくねぇしな?」
「幽霊?ちょっとひどいな!」
「事実だろ」
「…それは」
でも…内心ドキドキ
すごく嬉しい
やっばり良平は
世界一優しい

