仕事が終わるとすぐに
私はひーくんのお店へと向かう。
この居酒屋は前の出版社をクビになって
今の会社に就職するまでの間
ずっとお世話になっていた。
家から近いし時給はいいし
とてもいいお店だった。
ーガラガラ
響「おお、藍原。来たか。」
彼、新見 響は私と同い年でありながら
この店を切り盛りする店長さん。
希「突然ごめんね、ひーくん。」
響「それはいいんだけど
金が必要ってどうしたんだよ?」
希「来月から家賃が値上がり
する事になってさ、今の会社の
お給料だけじゃ生活が厳しいから
働かなきゃならないの。
でも、心配しないで!うちの会社
ダブルワークOKだし、もちろん
こっちの仕事も手は抜かない。
絶対にひーくんには迷惑かけないから。」



