希「ポジティブなんですね。」

望「卑屈になったって
何にも変わらないだろ。
ダメなら直せばいい。
いつか100点が取れるように
頑張ればいい。それだけ。」

この人は失礼な事を言った私の事
許してくれるんだ。
失敗しても責めないんだ。
怒ったりはしないんだ。

希「嫌いになりたくないんです。」

望「え?」

希「正直、許婚なんて言われても
よく分からないし
恋人同士だとも思ってません。
急にそんな事言われても困ります。
でも、いい人だなって優しい人だなって
人として好きだなって思って
しまったから、今よりもっと部長の事を
知って部長の事を嫌いにだけは
なりたくないんです。
だから、本当にすみませんでした。」

ありったけの思いだった。
精一杯だった。
思いの丈をぶつけた。
後は、御曹司の受け取り方次第だ。

望「今度は30点目指してみるわ。」

希「へ?」

望「今日が20点なら次は30点。
で、いつかあんたの100点を
貰えるように色々と考える。」

何なんだろうか、この気持ちは。
このザワザワする気持ちは一体...