御曹司は話してくれた。
望「俺の初恋はさ、高1だった。
大雨が降り頻る冬の夜。
お通夜に参加した日だった。
その女の子は雨の音にも負けないくらい
大声で泣いてた。
見てるこっちが辛くなるくらい泣いてた。」
御曹司の最大の秘密の話を。
望「哀しいんだな。辛いんだなって
抱き締めたくなるほど消沈してた。
そりゃ、自分の親が亡くなって
泣かない人はいないと思う。
でも、その子を見た時思ったんだ。
今まで見た誰の涙も
偽物だったんじゃないかって
思うほど綺麗だった。」
だから、私は聞いた。
望「悲しい日なのに不謹慎だけど
俺はその女の子に恋をしたんだ。」
少しも取りこぼしたくなくて。



