エスポワール~私と御曹司~


響「あの日、俺は藍原に言った。
スタート地点に戻ればいいって。
でも、違う。藍原が好きなら...
やる事はたった1つなんだ。」

希「1つ?」

響「10段目まで駆け上がるんだ。
あいつよりも上の階まで行って
...藍原が振り返るんだ。
ずっとここで待っていたって。」

やっぱり...ひーくんは優しい。

希「ありがとう、ひーくん。」

いつも大切な事を教えてくれる。

響「ここで寝てろ。
また起こしにくるから。」

希「うん。」

...私のやるべき事は分かった。
でも、もう遅くはないのだろうか。