エスポワール~私と御曹司~


希「私はそんなにいい人じゃないよ。
結局、奈緒ちんの事疑ったままだった。」

響「お前ってアホだけどさ。
騙されるし、しょうもない男の事
好きになるしどうしようもない奴だけど
でも、いつもお前は誰かを
元気づけてるんだよ。助けてるんだよ。」

希「助けてる?」

響「俺は地元で散々親に迷惑かけて
勘当されて、高校も中退して
もちろん社会からは相手にされなくてさ。
店始めた時の借金だってまだ残ってるし
これから先の暮らしだって
どうなるか分からない。
不幸な人生まっしぐらだと思ってたけど
藍原がうちの店で働くようになってから
俺、いつの間にか笑ってたんだよ。
いつの間にか、口うるせぇじじいが
常連になってて、響くん!来たよ!って
女の客がわんさか来るようになって
ついでに藍原目当ての男の客も今じゃ
連れみたくなってて、もうちょっと
ここで頑張ってみるかなーって
思えるようになったんだ。」

希「そんな風に思ってくれてたんだ。」