希「何も分かってないよ!!
私はいっつも笑ってたんだよ。
出版社にいた頃も、ひーくんのお店で
働いてた頃も、毎日毎日楽しくて
働く事が楽しいって笑ってたんだよ!
笑えなくなったのは...今の会社に
就職してからだよ!
御曹司と一緒にいるからだよ!
本当の私は今の私なんだよ!!」
...良かった。今日で解放される。
言いたかった事がようやく言える。
希「御曹司は奈緒ちんの事は
よく分かるのに私の事は
分からないんだね。」
望「奈緒とは子供の頃から
ずっと一緒だったから分かる。
希とはまだ大して時間が経ってないから
分からない。当然の事だろ。
でも、分かりたいと思ってる。
これから先長い時間をかけて...」
希「分からないと思う。
どれだけ時間が経ったって
私は御曹司の事が分からないと思う。
初めて、御曹司に会った日思ったの。
私はこれから先この人に何度
会ってもこの人の事が分からないって。
間違いじゃなかった。
私は今でも御曹司の事が分からない。」



