あの日からずっと御曹司とは
気まずいままだった。
御曹司からの連絡も無視し続けて
会社では御曹司の事を避け続けた。
分かってる。
何とかしなきゃならないって。
でも、時間が欲しかった。
毎日のように考えて考え続けて
御曹司からの連絡が来る度に
早く何か言葉を伝えなくちゃって
普段は使わない頭を使い続けたせいか
何だか今日はずっと頭がボーッとしていた。
会社を出て、ひーくんのお店に
向かう途中、1度だけ
目眩がして座り込んでいたら
バイトの時間に少し遅れてしまった。
ーガラガラ
慌てて扉を開けると店内は
いつにも増して賑わっていた。



