エスポワール~私と御曹司~


至らないのは私なのに。
私に自信がないからいけないのに。

御曹司に1段階段を
降りてもらうんじゃなくて
私がよじ登ってでも
1段階段を登らなきゃ
ならなかったのに。

不安でいっぱいになった醜い心に
私は吸い込まれてしまったんだ。

響「藍原?」

ひーくんは着ていたガウンを
私の肩にかけてくれた。

希「ひーくん。...もうヤダよ。
嫌いになっちゃうよ。
...私、御曹司といると
自分の事、大嫌いになっちゃうよ。」

いつもみたいに慰めてくれると
思ってた。隣に座ったひーくんに
また私は甘えようとしてた。