奈緒ちんが旦那さんと別れたら
1人で寂しい想いをしてる
奈緒ちんのそばにそっと御曹司が
寄り添って、優しい言葉をかけて
愛を伝えて、2人は結ばれる。
そんな未来しか想像出来なかった。
そこに私はいない。
迷うこと無く御曹司は
奈緒ちんを選ぶ。
だって、私は見た事がない。
御曹司が私に向かってあんな風に
優しく微笑む顔を。
奈緒ちんの隣にいる時の御曹司は
いつも子供みたく安心した表情を
浮かべている。息を切らしながら
本気で心配してるって表情も
...私は見た事がない。
私の知っている御曹司は
呆れているか少し不機嫌か
困ったように笑っている。
そんな表情しか私は知らない。
私が御曹司の前では
いつも通りの私でいられないのと
同じで御曹司も私の前では
いつも通りの御曹司で
いられないのかもしれない。
御曹司の笑顔は誰のもの?



